(『マサカ』の話連載42~48)

設備技術者の修業時代

2021年12月04日

配属されたH係長の下では、設計の手伝いをしながら色々な指導を受けた。まだ設計施工・責任設計の風潮が色濃い時代でもあり、クライアントの設備部門もそれほど充実していなかったので、建築計画の最初から参画させてもらえたのは大変勉強になった。

当時の高砂熱学東京本店の技術部門は5つの課に別れておりそれぞれの各課で設計と工事を担当していた。技術系新人はそれぞれの課に配属された。筆者の課では配属時には課長は外遊中で、その間I係長が現場から本社に来て睨みを利かせていた。配属された最初の日は諸先輩に頼まれた事をやったのかどうか、夕方5時になって向かいの席のO君が「山本さんどうしようか?帰っていいのかな?」というので同期の他の2人も仕事が終わっているのを確認して、4人でI係長さんの前に並び、仕事は終わりました、帰って宜しいでしょうかと断ってから帰宅した。その後は諸先輩が残業していても、仕事が終われば状況により定刻に帰ったが、よそでは「新入社員は仕事がなくても、先輩が帰るまで残っているように」と先輩にいわれた課もあったそうで、同期の者達...

石の上にも3年といわれているが、この連載も3年をすぎ40回を越えた。先ごろ若い頃の貴重なトラブル経験をお話したように、この辺で筆者の修行時代の話をするのも何かと参考になるかとも思われるので、今回から数回にわたり社会に出てからのお話をする。 社会人人生のうちで何年が修行時代というきまりはないが、筆者の場合は大学卒業後8年5ヶ月サブコンに在籍し、その後建築設計事務所に移ったので、サブコン時代が修行時代といえるであろう。

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