◆「設備工事の失敗例と対策」冷暖房換気編⑥

2020年11月02日

1.2.1 隙間だらけの換気ダクト

地下1階の厨房排気を屋上の排気ファンで吸引したところ、フードから吸い込まない。良く調べたら、排気シャフトはブロック積みで、積み忘れ箇所やモルタルの隙間から吸い込まれているのが原因であった。

筆者もオイルショックの時期に、工程が間に合わないとゼネコンから頼まれてブロックシャフトにして、天井内チャンバーで給気したOAが直接シャフトに吸い込まれて、室内環境基準が満足できなかったことがある。

ブロック積みだけでなくALC版のシャフトも、排気や排煙のシャフトに使用してはいけない。

1.2.2 睦言が聞こえてノイローゼ

―ホテルや住宅のダクトはクロストーキングの防止措置を取る―

事例はお屋敷の寝室の音がお手伝いさんのの部屋に聞こえてしまったというトラブルで、ホテル客室なども吸音材や数個のエルボで対応する必要があるという事で。

一般事務所ビルでも、役員室などには、ドアガラリを設けず、ダクト等でレタンを取るなどの処置が必要である。

1.2.3 お人好しのファンコイルユニット換気運転で重傷

竣工前に塗装工事の乾燥のために運転してほしいと頼まれてトラブるとなった事例である。

フィルタの目詰まり、FCUコイルにセメントの粉が付着して目詰まりと腐食となり、ドレンでセメントも固まるなど、FCUを取り替える羽目になったとのこと。

サッシが嵌め殺しのため竣工時期によっては冷房が必要となることもあるが、竣工前のFCU運転はおこなってはいけない。

1.2.4 止めても止まらぬファンコイルユニット

―ファンコイルユニットをOFFにしても部屋が暑く叉は寒くなることがある―

自動弁で制御していない場合は、FCUのファンを止めてもコイル内には冷水または温水が流れているので自然対流により室温は上がったり下がったりする。

ホテル客室で、OA供給をFCUの還気側に接続してあると、コイルの冷温水でOAが冷却・加熱されることになる。

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