◆「設備工事の失敗例と対策」冷暖房換気編⑪

2020年11月14日

1.2.19 のどが渇いた冷却塔

-冷却塔の補給水の水圧に注意-

高置水槽と冷却塔の水位差が小さいと、高置水槽の水位が下がったときに、冷却塔への補給水圧不足となる事がよくあるので、設置レベル差に要注意である。

また複数台の冷却塔に給水補給する際は、流量が同一となるようなバルブ調整が必要である。

1.2.20 煙にまかれた冷却塔

-冷却塔は煙突の風下に設置しない-

「建築設備『マサカ』の話」には、「隠すことからトラブルは始まる」として、冷却塔を囲われたトラブル事例を挙げたが、本書の事例は囲われなくても煙突に煙により凝縮器や冷却水配管を取り替える羽目になった事例である。この時代はボイラ用にはB重油を使用していたので腐食に繋がったのであるが、燃料がA重油やガスの場合は、効率低下だけでトラブルに直結しないのが怖い。筆者の経験では煙突が屋上スラブ+1000程度で、近くに屋外機が設定されていた事例があった。(事情により建設取りやめとなった)

煙突の煙については、外気取入れ口に吸い込まれた事例もある。

1.2.21 よっぱらったサーモスタット

-サーモスタットのアウトレットボックスの電算管接続部は密閉する-

「電線管に空気が流れる」トラブルの典型的な事例である。北外壁面にサーモスタットを設置すればコールドドラフトにより暖房が止まらない。これもよくある事例である。

尚、サーモスタットの位置は建築意匠屋に嫌われることがよくあるが、機能に関することに関しては譲ってはいけない。

1.2.22 ダンパになった消音材

-消音材の内貼りは特に隅部に注意して施工する-

竣工後1年ほどしてある系統の冷房が急に効かなくなったとの事。空調機分岐チャンバー内の内張り材が剥がれて吹き出し口を塞いだのであった。保温・消音のための内貼りは特に隅の部分は剥離しやすいので入念な施工が必要である。

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