◆「設備工事の失敗例と対策」冷暖房換気編⓾
2020年11月11日
1.2.15 冷凍機を止めた型枠の切端し
―蓄熱槽の清掃は入念に行うこと―
蓄熱槽システムで、各空調機系統の運転で蓄熱槽温度は上がるが、冷凍機が運転しない。
冷水が落水しポンプの空運転。フート弁の弁蓋を動かしても効果がない。
若い現場員が水槽に潜り、フート弁に引っかかっていた仮枠の切れ端を見つけた。
蓄熱槽は建築工事側で清掃後設備に引き渡されるが、再度入念な点検・清掃を行うべきであるとの事。この話は筆者にも初めてであった。
1.2.16 ダートポケットは飾りではない
―空調機冷温水コイルの入り口側配管にはダートポケットを設け、端末にはキャップを設ける―
ダートポケット(汚泥だまり)に溜まるものはバルブだけでは排出できないものが多い。端末はキャップまたはフランジ止めとすることは空調設備屋の常識である。
1.2.17 温水の苦手な給水ポンプ
―ホットウェルタンクの設置高さに注意―
蒸気設備の環水タンク(ホットウェルタンク)環水管の勾配の関係で低い位置に設置されることがある。環水(温水)温度は80℃度以上であるから、ボイラへの給水ポンプのレベルがタンクの水位より高い位置であると吸い込みヘッドが取れなくなる
1.2.18 振動を伝えた防振パッド
―防振パッドを用いる時は、その機能を損なわないように取り付ける―
中間階の機械室に設置したポンプの防振用ゴムパッドがほとんど効果がない。原因はアンカーボルトで機器が基礎に固定されていたためであった。これも初歩的なミスである。