◆「集合住宅の設備」-クレームの実際とその対策-③
2020年12月20日
□給湯設備のトラブル
①強風でガスの火が消えた
- 状況:屋外壁掛け型湯沸機が設置された10階建ての集合住宅の5階住戸で、隣地に立つ集合住宅の躯体が6階まで上がってきた際に強風で発生した。
隣地建物は既存建物に対してT字状の配置となっており、トラブルが発生した住戸は、ちょうどT字の付け根の位置であった。
- 対策:この場合は湯沸機の給・排気口を改良することで解決した。
②給湯配管に起きたウォーターハンマー
- 状況:ポンプ圧送方式の集合住宅で、給水系統はどの推薦の開閉でも異常はないが、給湯系統の湯栓を開閉すると激しいウォーターハンマーが発生する。
- 対策:給湯配管末端部分の配管をループ状にすることによって解決した。
ただし、著者はループ配管の形状・全長・管径等について「カン」で割り出すしかなく、他の状況にも適用できるかどうかは不明としている。またウォーターハンマー防止器具で対応できない場合もあり、配管の改修でウォーターハンマーを防止できると述べておられる
③銅管からの漏水
- 状況:二重床、間仕切壁内の銅管の釘による打ち抜きによる漏水事故。
この書では給湯配管の膨張・収縮による漏水事故事例であるが、水圧検査竣工検査でもわからず、竣工後しばらく経ってから出ないと発生しないのが困る。(筆者も経験あり)
④電気温水器のクレーム他注意事項
- 木造床上に設置された電気温水器の荷重で、根太が沈んできて給湯管継ぎ手がひび割れた。
- 地震時の転倒防止に注意
- 腐食等による電気温水器取り換え時に、搬入搬出のための建築的改造工事の費用の方がおおきくならないように配慮しておく。