◆「集合住宅の設備」-クレームの実際とその対策-④
2020年12月21日
□排水設備のトラブル
①排水単位と排水管系の再考(洗剤の泡によるトラブル)
この時代(昭和58年以前)には、洗剤による泡が下の階にあふれるというトラブルが頻発している。(筆者の会社の設計事例でもあった)
岡さんはこの書で、「洗剤による泡の排水単位を再考しなければならないのではないか」という問題提起をされている。
また、「・・・・洗剤の泡は異常だから、排水単位及び排水通気システムの再考が必要だろうが、一方、泡の出ない洗剤を考えるのが近道かもしれない」とも記されている。
②2管式排水管のクレーム
この書では、2管式排水管での泡の吹出しのクレームについて述べられており、14階建てに集合住宅で、6階・10階で通気結合管をとり、最下階の横引配管100φを125φにサイズアップすることにより解決したとある。
③単管式排水システムの実例
筆者の会社の設計事例ではソベントの単管式排水システムで設計し、泡の噴出トラブルが発生した。本書ではクボタの集合管を用いてトラブル発生のないことを検証している。
④排水管の流水音
具体的なトラブル事例はないが、排水竪管での流水音を、断熱材や鉄板を巻いた場合の騒音値を測定したデータがある。大変参考になる。
⑤伝声管となった排水管(クロストーク)
このトラブルは『マサカ』である。電気温水器の排水管には通常は膨張温水の排水のみが流れるので封水が切れやすい。臭気のクレームにもなるがクロストークが発生したとのことである。定期的に水を流す必要がある。