◆「集合住宅の設備」-クレームの実際とその対策-⑥
2020年12月27日
□水質に関する事例
- 給水設備では「簡易専用水道」等の手続きの必要性について、手続きが行われておらず「始末書」ものとなった事例をあげて注意を促している。この時代にしか見られないトラブルといえる。
□温泉設備に関する事例
- 温泉地に建設される、リゾートマンション、会社の保養所などで温泉を設備する場合は、温泉水質を検討したうえで、配管材料を決めることという至極尤もなアドヴァイスがある。
□ユニットバスの集合住宅への影響
- ユニットバスの普及期に、湯気の漏れによる結露のクレームが多く発生したようである。ようであると書いたのは、小生の経験ではなかったからである。
計測データもあって、換気扇の運転状況を変えたり、浴槽の蓋を閉めたり閉めなかったりして、室内や天井裏各所の温湿度を計測している。
対策として、北側外壁や最上階天井スラブの断熱、およびユニットバスのシールやコーキングの精度向上を提案しているので、過渡期のトラブルといえる。
□その他の問題
- システムキッチンの水栓に、外国製スワンネック等の日水検認定品出ないものが使用されていた。
- ブロック積みのコンクリート排気シャフトから外気が天井裏に逆流。
- 厨房用外気を天井チャンバーで導入し、天井が結露。
- ガスレンジ裏の間仕切りが床までなかったため、風の流れによりガスレンジの火が下に下がって消える。(『マサカ』の事例)
- 屋上の通気口に関し、漏水の恐れの指摘があったが、臭気トラブルの恐れの方が大きいので、筆者の会社では、公団仕様と同様屋上立ち上げとしていた。
- 計画時点からの留意点
- (1)配管及びダクトスペース:保守点検を考慮して、適度な大きさを取ることと、共用部から保守点検できること。
- (2)台所の流し配管:立管は流しから1m程度とすること。
- (3)流水音と隣戸の寝室:平面計画に留意すること(隣戸だけではないが・・・)