◆小便器の洗浄水代が高すぎる

2020年09月30日

<小便器の洗浄水代が高すぎる―水の無駄遣いを改めるには―>

現在では、ビルのトイレの小便器の洗浄水に関して関心のある設備技術者はいないと思われる。小便器にセンサーが組み込まれており、使用する度に洗浄水が流れる。洗浄水について関心が薄れてしまっているのは仕方がないが、現在の形に至るまではいろいろの変遷があったのである。ここでは初期の自動洗浄装置の使用水量に関するトラブルである。

昔のトイレの洗浄方式は大便器の場合も含めハイタンク方式が多かった。現在でも古いビルに行くとトイレの上の方にタンクがあって、使用後に鎖を引っ張って水を流すタイプのものが残っている。

個別の小便器の押し釦による洗浄方式が高価だったのか不明であるが、小生がこの業界に入った頃は、天井近くに設置された自動洗浄タンクによる洗浄方式が一般的であったように思う。

タンクには少しづつ給水され、一定量になると、全ての水が流れて洗浄されるといったサイクルの繰り返しであったと思う。その後タイマーで一定時間ごとに流し、赤外線センサーで利用者を算定してタイマーの代わりとなり、現在の個別センサー方式となったのである。ここに至るまでには小便器の封水部分の塩分(アンモニア?)を感知して洗浄する装置も開発されたが、感度が悪く使用されなくなった。

ここでのトラブルは洗浄弁に流す水量又はインターバルの門題であったが、昔の洗浄システムについて紹介するつもりで話を取り上げた。

『マサカ』の話:ハイタンクの位置については、以前にビル管理の方からは天井下でなく天井内に設置するように求められた。商業ビルでは掏摸が抜き取った財布から現金を取出し、財布をハイタンクに投げ込み、洗浄水が流れないといったケースが多いという事であった。(『マサカ』である)

出 典 「設備工事の失敗例と対策(飯野香編」2.1.10(P.79)

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