◆給排水設備の, 昔の『マサカ』のお話集成
2020年10月17日
出典「設備工事の失敗例と対策(飯野香編)」には、技術の黎明期の話とも言えるが現在では考えられないような『マサカ』の話がある。参考までに列挙する。
2.2.13 手でねじ込んだ通気管
米軍家族住宅(時代を感じますね)、職人が「通気管は空気が出入りする管というから」手でねじ込んだだけのため、満水テストでねじ込み部から漏水した。
2.2.14 好意の芯出しが仇―便器取り付け直しと弁償―
便所の型枠工程時に、大工が芯出しをしてくれたので、その通りに箱入れをし、建築の基準墨とのチェックをせずに便器を取り付け。便器の位置が便房内の中心よりずれてやり直しつなった。和風大便器は傷つき、床防水は弁償となったが、大工には文句は言えなかったとのことであった。
2.2.15 便水のリレー―掃除口はなるべく床下につけない-
排便管が詰まったので、天井裏の床下掃除口から排水を抜いて修理した。掃除口を緩めて排水を洗面器に受け(バケツは梁下を通らない)、改め口まで設計者を呪いながら洗面器リレーを行ったとのこと。
防水層の貫通個所を一か所でも少なくしたいということのようであったが、現在は床上掃除口は常識である。また床下(天井内)に掃除口を設ける場合でも、手近に天井改め口を取り付けることは言うまでもない。
2.2.17 排水ポンプ吐出口から地下室に逆流
雨台風の時に、地下のボイラ室が水浸しになった。途中の説明は省略するが、地下の排水ポンプ吐出管にチャッキ弁がついていなかったため雨水は逆流したのであった。