◇トラブル相談とその回答⑧

「マンション設備『マサカ』の話」206ページ以降に掲載されている。

1LDKのマンションで、室内が厨房の排気で汚れているという事で、レンジフードを24時間連続運転。この排気がバルコニーの立ち上がり壁に当たって、シャフト下、床上の給気ガラリから吸い込まれ、室内化学物質の循環のためでシックハウス原因の上記の病気になったという可哀そうな事例である。これは典型的なショートサーキット事例である。

著書の写真をご覧ください。

問題は事業者が自分のミスを認めなかったことで解決が長引いた。給気口から排気が出てくることはあり得ないという事で、20名近くの方に原因調査してもらっても原因は分からなかったので、排気ダクト内にカメラ挿入、排気口までつながっていることの確認までしたのである。

また筆者の見解書では、写真のように棒の先にティッシュペーパーをつけたもので風の流れを示したものに対し、線香の煙でテストし、煙が拡散したことによりショートサーキットはなかったなどと反論。風の流れを確認するにはティッシュぺーパーの方が優れている、その他の反論を再提出した。

先方の弁護士がこれでは勝てないと思ったようで、和解を提案した。被害者側の弁護士は内容を理解してなかったようで、依頼者の要求より低い金額で和解した。

この話を友人にしたら、図面も見ずに「それはショートサーキットだね」と指摘したが、デベロッパー側は仕方ないとしても、設備技術者の技術レベル差が大きいことについては改めて認識させられた。