◇トラブル相談とその回答⑭

2022年06月20日

▢ 半地下住宅の排水逆流トラブル

・110番のトラブル相談から、最終的には改修工事の工事監理監修まで行った事例である。

・相談は関西の某マンションの1階の住人からで、1月に入居後、4月に普通の雨でトイレから逆流、対応してもらったが、8月に洗濯パンから排水が再度噴出した。いづれの雨も10mm/hr程度の者であった。メールのやり取りで、原因は半地下住宅マンションであることが判明した。1階スラブレベルが周辺道路より約700下がっており、1階排水横引き管(上階とは別系統)は、道路内排水本管に直結(!)されていた。

・状況説明を受けて、デベロッパーの支店長及び東京本社社長に、入居者から内容証明つきの手紙(出す前に小生が添削)を送ったが、担当部署に任せているとのつれない返事で、重大な設計ミスとは認識していなかったようである。現地の対策案は、地階ピット内で1階の床下排水横引き管と、上階系統の管を通気管で結び通気弁を取付けるというものであった。通気弁取付位置は建築基準法違反である。又、管理組合に話をあげても専用部のトラブルとして取合ってもらえなかった。

・10月になって中庭で雨水桝が溢れ、庭からエレベーターホールに雨水が流れ込み、EVピットに入りそうになり、土嚢で防ぐといった事故が発生し、管理組合が動くことになった。紆余曲折があって、結局1階住人の推薦で小生が対応することなった。デベロッパーの対策案は依然と同じである。「確認申請は通っています」というので、建築基準法19条の但し書き違反であるという事と、「雨が降れば排水口から逆流する」という需要事項説明がなかった、という事で、1階排水系統に排水槽を設けポンプアップ排水とすることと、雨水貯留施設の逆流防止対策を行うことを指示した。

・工事管理の過程は省略する。





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