「空調設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑩
19.アネモ型吹出し口(ディフューザー)の騒音―室の内装、ネック風速は適切か。偏溜は生じていないか―
・ある電算機プログラム室で、室内騒音が60ホン(測定値9もあり、吹出し口騒音が問題となった。aアネモ型吹出口はC2-25、ネック風速は5.67m/sec、取付け高さは2.7mであった。
・対策として、各吹出し口に消音器を取り付けた。室内騒音は45ホンとなった。
(コメント)アネモ型吹出し口の騒音対策についていろいろ解説してあるが、一言でいえば「冷暖房完備」時代のトラブルである。図面ではメインダクトに吹出し口が付けられている。騒音トラブルにならない方が不思議である。吹出し口用の枝ダクトに取付ける場合は省略できるとしても、吹出し口には専用の消音ボックスを付けるのが常識であろう。
20.内張り材の剥離で排風機が振動ー内張りした個所の点検を忘れるなー
・某工場の生産ラインの作業室は、排気によって室内臭気を除去している。運転開始後1年経過したころから、排風機の振動が激しくなり、サージングを起こしているような状態となった。
・室内騒音対策として排風機のサクション側に消音チャンバーが設置されていた。この消音チャンバー内の内貼吸音材が剥離してバタついていた。
・吸音材を張りなおして、パンチングメタルで抑えた。
21.プレナムチャンバー内の内貼材が剥離ー墨部や突合せ部材の剥がれ、鋲のゆるみはないかー
・エアハンドリングユニットのプレナムチャンバーに内張した消音材が剥離して吹出し口を塞いだ。送風機の吹出し風速は16.5m/sec、風量は7,200m3/hであった。シャンバーの高さは600mmであった。
(コメント)ある意味オソマツな話ではある。解説でいろいろ参考になる話が書かれれているが、たくさんの記事なので全て書くわけにはいかない。ある程度は、各施工会社の技術基準に取り入られているものと思う。