「空調設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑰

2021年04月08日

34.ポンプをとめると冷却水がサイフォン現象で逆流ー冷却塔の設置場所によって配管法を考えよ!ー

・某工場の2階の事務室は水冷式パッケージ型空調機により空調されていたが、冷却塔が地上に設置されていたため、空調停止時に冷却塔から水が溢れ、周辺が水浸しになった。

・サイフォン現象により、冷却水配管内の水が冷却塔内に落込みオーバーフローしたのであった。

・対策としては、冷却水配管の頂部にバキュームブレーカーを設けて、ポンプ停止時の水の流出量を最小限に抑えた。

(コメント)最近のエアコンは空冷ヒートポンプ式が主流であるので、このようなケースはほとんどないと思われるが、こういうこともあるのかと一応留意しておくことではある。

35.ケチな冷却水配管で水を無駄使いーポンプ周りにチャッキ弁、還り管に立上り部分を設けよ

(コメント)これも冷却塔水槽の減水トラブルであるが、状況説明が良く理解できないので、解説は省略する。

36.蓄熱運転で冷凍機がサージングー自動制御弁の特徴を十分に把握しているかー

・某工場(述べ面積約3000坪)の冷熱源はターボ冷凍機と蓄熱水槽で、使用条件により多くの系統に分かれている。夏の蓄熱運転になると冷凍機がサージング運転となった。

・蓄熱槽は高温槽・低温槽に分かれており、両方の冷水を二方弁で制御して1次ポンプで吸い上げ冷凍機で冷却して低温槽に落としている。空調機には2次ポンプで低温槽の冷水を送水し、三方弁制御で高温槽に戻している。

(コメント)対策案について色々解説されているが、要は三方弁制御の為高温槽に戻る冷水温度が低いのが原因である。竣工したばかりで二方弁に取り替えるわけにはゆかず、いろいろな対応をされておられるが、畜熱システムの設計ミスである。対策・解説については省略する。

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