「空調設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑲

2021年04月14日

39.電磁弁にゴミが挟まって蒸気の閉止不良―ストレーナを設けたか、スクリーンのメッシュは細かいかー

・ある高温恒湿装置で、室温制御用に蒸気コイルの入り口に取り付けた電磁弁のシート面にゴミ挟まり、蒸気量の制御ができず、室温が異常上昇した。遠くにある上記プラントの主管にはストレーナが設けられていたので、電磁弁のところにはストレーナはついていなかった。

・対策としては、電磁弁を直列に2個、100メッシュスクリーンのストレーナを設けた。室内には温度上昇を知らせる警報装置を設けた。

(コメント)この手のトラブルは多く、いろいろなトラブル本に事例が見られる。筆者の本では温水用熱交換器で温水温度が上がり、ファンコイルユニット配管がシャフト内で破断した事例と、空調機送風温度が上がって、スプリンクラーが発泡した事例が紹介されている。後者と同じような事例はは他の本にも紹介されている。

39.圧力調節器の比例帯が大きすぎて、バイパス制御に失敗ー流路抵抗とポンプ揚程をチェックしたかー

・蓄熱槽利用の配管システムで、冷温水コイルの二方弁制御の際の圧力変化を圧力調節器で感知し、バイパス弁にて制御して、蓄熱槽に戻していた。

・圧力調節器の比例帯(PL)が、送水量の制御範囲におけるポンプ揚程の差(ΔHp)より大きかったため、バイパス弁が全開せずに設計通りの水量を水槽に戻すことができなかった。

(コメント)このトラブルは典型的なエンジニアリングトラブルである。この方式の計画上の問題点については詳細な解説があるが、省略する。

40.圧力調節器の動作隙間が大きく台数制御失敗ーポンプ特性や管系抵抗の変化に適応できるかー

(コメント)これもエンジニアリングトラブルであり、状況説明は難しいので省略する。昭和53年発行のこの本に、二方弁制御によるポンプの台数制御システムが載っていたという事は、当時としては最先端技術である。失敗があったのは仕方がないと考える。

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