「空調設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)㉔
2021年05月04日
49.防振ベースが撓んでポンプに振動発生ー予定以上の荷重がかかっていないか!ー
・呼び径65mmの片吸込み単段渦巻きポンプが溝形鋼(100×50×5)のベースに据え付けられていたが、運転開始1か月ほどで、ポンプが振動し、騒音を発生するようになった。
・カップリング周辺に黒い粉の飛散が見られたので、バラしてみたところカップリングボルトのゴムが2mmほど片減りしていた。防振ゴムのたわみ量は、ポンプ側がモーター側より1mmほど多く、チャンネルベースが傾いていた。
・原因は立上り管の支持が不十分で、配管の荷重がポンプの運転荷重を助長し、チェンネルベースが撓んだためである。撓みにより生じたポンプとモーターの軸心の変化をカップリングで吸収している結果、カップリングゴムの片減りと振動の増大になったものである。
・対策としては、チャンネルベースの補強、配管支持の修正、カップリングゴムの取替えと芯出しを行った。
(コメント)解説にかかれていたが、チャンネルベースの強度不足も問題である。
50.冷却塔の騒音に住民から苦情。
・住居地域に設置された3階建ての事務所ビルの塔屋に設置された冷却塔の騒音が煩く、昼寝(夏休みであった)もできない(!)と、近隣戸建て住宅の住民からの苦情となった。運転音は78ホン、25m離れた家で50ホン、45m離れた家で46ホン、日中の音量基準は50ホンであった。
(コメント)よくある事例であるのが、昼間の騒音がトラブったのは珍しい。発生年度45年であるから低騒音型はまだ出ていなかった頃のトラブルである。最近ではエアコン室外機も低騒音型となっているが、冷蔵庫、冷凍庫の室外機は容量も大きく、24時間運転であるので要注意である。