「空調設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)㉕

2021年05月11日

51.冬期における冷却塔のトラブルー凍結対策は十分検討されたか!ー

(コメント)水冷パッケージ型空調機を使用していた時代のトラブルであり、空気熱源ヒートポンプエアコン時代には関係ないが、こういうこともあるかという参考にあげる。

(その1)某工場の30RT、24時間運転のパッケージ型空調機の冷却塔が、正月休みの停止時に、塔内の給水管が凍結破損した。

・この部分は、機器付属部分であり、冷却塔内部配管である為、水を抜くことが出来なかった。

・凍結防止用ヒーターが設備されていたので、運転停止時もヒーターが入るようにした。冷却塔停止時のヒーターは無駄運転であるので水抜き弁のとりつけが得策である。

(その2)関東地方北部に建設された研究所では、低温室をパッケージ型空調機の年間運転で計画された。冷却水の制御は冷却水温によるファンの発停と自動弁によるバイパスを行っていた。

・試運転は厳寒期で、冷却塔のファンが停止すると、吐出口(冷却水のスプレイノズルか?)付近に氷が張り、吐出口やファンの羽根を破損する恐れが生じた。

・冷却塔内より出た湯気が、吐出口や羽根に付着して氷結し、さらに成長したものである。

・対策としては、ファンのON-OFF制御は取止め、バイパス制御のみとした。

(その3)年間冷房の必要な実験室では、5RTのパッケージ型空調機により常時冷房運転されている。凍結防止用には電気ヒーターが取り付けられており、過熱防止用のサーモスタットは設計図には設けてあったが操作回路がなく使用できなかった(?)。竣工後のある日、補給水が凍結し水がなくなった際に、ヒーターが過熱し冷却塔を焼失してしまった。

・原因は空焚き防止装置が働かなかったことによる。

(コメント)いずれの事例も筆者にとっては初耳である。筆者の経験事例で、冬季時冷房物件はあったが凍結事例は耳にしていない。2,3の事例は冷却塔が小型で、保有水量が少なかったせいかと思われる。



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