「空調設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑨
16.煙道に鳥が巣を作り浴室で中毒事故ー鳥の侵入は大丈夫か、空調設備の給排気口では、バードネットを忘れるな―
・鉄筋コンクリート4階建てのマンションの浴室でガス釜の不完全燃焼による中毒事故が起きた。原因は煙突に鳥が巣を作ったためであった。浴室のは十分な大きさの燃焼空気取入れ用のガラリはあったが排気口(換気口)はなかった。(浴室換気設備はなかったという事)また煙突のトップフードは脱落していた。
・原因はトップフードがなかったことであり、施工が悪かったのか保守管理上のミスか開設では明らかにしていない。本事例は中毒事故であるとしていろいろ解説されている。また浴室換気についてもいろいろ解説されている。
(コメント)ガス釜、ガス給湯器の設置基準については、(財)日本ガス機器検査協会から設置基準及び実務指針(黒本)が出ている。(初版昭和58年)この事故はそれ以前である。
17.機械室の騒音が換気口を通って侵入-換気口から送風機までの距離、局部の数、そして送・遮音装置を考えろ!ー
・某ホテルでは1Fロビー、2F大ホール系統は1台の空調機であった。空調機械室はその直下階であった。そのためレタンガラリから出てくる機械室騒音が問題となった。
・対策としては、機械室部分の換気ダクトをボード張りとした他、レタンガラリ内にはグラスウール保温筒(l=500mm)を取付けた。
・給気側の送風機騒音については配慮はなされているが、レタン側ダクトからの騒音については防音対策を忘れがちである。計画・設計段階での配慮が必要である。
18.プレナムチャンバーの鉄板が振動して騒音発生―チャンバーの強度は十分か、補強は確かか?ー
・各階ユニット方式の事務所ビルで、送風機の吐出側に設けたプレナムチャンバーの鉄板が振動し、「ボボボー」と腹に響くような音で「気もちが悪くなる」というトラブルとなった。騒音レベルはNC40~45程度であったが、600Hzの所では45dbをこえて一定周期で振れていた。
・プレナムチャンバーは1.2mmの鉄板製5×40のアングルで450mm間隔に補強、50mmのグラスウール内貼りであった。
・対策としては,チャンバーを外断熱し、モルタルで仕上げ、アングル補強を行ったとある。