「窓ガラスの結露対策」のチラシ

2023年01月03日

我が家には、毎日いろいろなチラシが郵便ポストに入っている。概ねコンビニやスーパーストアの大売り出しや新商品の紹介であるが、まれに建築関係のお知らせがある。設備技術者として困るのは「窓ガラスの結露対策」のチラシである。「「窓ガラスの結露でお困りの皆様へ」というというチラシには、結露を防ぐ3つの工事が紹介されており、「窓の結露がなくなった」等のお客様からのお礼の感想文も載せられている。

結露防止対策は、①今ある窓の手前に新しく窓をつける、②真空ガラスに交換する、③窓を交換するである。いづれも、窓の熱貫流率が低くなるので結露防止には効果があるのはもちろんである。

しかし問題は、窓ガラスから消えた結露はどこに行ったかである。一般住宅の結露は、熱貫流率の最も高い場所に発生する。一重ガラス窓や昔のマンションの断熱のない北側の外壁等である。上記対策で、窓面結露はなくなっても、結露は対策前の窓の次に熱貫流率の高い壁面・部材に発生する。困るのは発生箇所が目に見えないことである。屋根裏で結露すれば長い間には部材が腐食する。

建物の長寿命を考えたら、窓面は冬の除湿機と考えてほしいと思う。ということであるから、チラシの施工会社に営業妨害となるようなアドヴァイスをしようかどうか悩ましいことである。

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