「給排水設備トラブル事例・対策集」②(日本建築設備士協会)

2021年01月07日

1.ポンプ揚水管の防振継ぎ手が破裂。

・ポンプ吐出側のバルブ類の取付け順序は、ポンプ・防振継ぎ手・逆止弁・仕切弁・竪配管であるが、ゴムフレキシブルの防振継ぎ手を逆止弁・仕切弁の上に取付け、ポンプの運転・停止の度に防振継手に圧力がかかって、伸縮の繰返しにより、約1年後にゴム部分が破裂したものである。古典的なトラブルであるが、現在ではほとんど聞かない。

・建物は、延べ面積20.000㎡、地下2階、地上15階の事務所ビルで、揚水ポンプは00φ×800l/mim×85mH×22kwであるから、要諦は大きい。

・解説では、立上り配管・弁類の重量がポンプにかからないように、また防振継手の動きの影響を防止するため、揚水管が横走り管になる部分の固定方法をL型鋼などで固定支持することなど親切な説明がある。その他では、垂直配管は乱流を発生させないよう1.0~1.5はとる事、配管勾配は高架水槽に向かって1/100以上の勾配とすること、(逆勾配の場合は、ポンプ停止時に気水分離によるウォーターハンマー現象が発生する)と、大変親切である。


2.ポンプ揚水管の接続不良による漏水事故

・約6000人収容の室内競技場における、ポンプ3台のローテーション運転による圧力給水方式である。ポンプの2台3台運転で振動が配管に伝わり、停止時にウォーターハンマーが瞬間的に発生。その繰り返しで漏水事故となった。

・原因は3台のポンプが同じ形式であるので、立上り管を一直線にならべ、エルボ、T字継手で横走り主管に接続したためであった。見てくれは良いが、施工上はきちんと合わせることが難しく、配管でポンプを引き上げる力が働いて、トラブル発生の原因となった。

・対策はフレキシブル継手の挿入と配管支持の増設であるが、なぜ当初からフレキを使わなかったのか不明である。望ましい形ではないが、細かい納まりはフレキに持たせることもできる。

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