「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)③
2021年01月09日
3.可変速ポンプでキャビテーション発生
―吸込み水頭がマイナスになるポンプは絞るなー
【内 容】地方の大型病院の給水方式は3台の可変速ポンプによる、直送方式であった。雑用水系統は鑿井よりポンプ室床下の受水槽に貯留された。給水は必要水量に応じて台数制御と回転数制御により行っていたが、過少水量時に落水現象が発生、必要水量が増加して回転数が上がっても。キャビテーションが発生した。
【原 因】ポンプの吸込み管の長さが長すぎた。。
【対 策】バイパス管を設置して、送水量が減少した場合に、電磁弁を開いて受水槽に水を戻すこととした。
【解 説】ポンプの吐出量がゼロになるような状況でポンプの連続運転を行うと、水温上昇による空気だまりの発生などで能力不足となる。サージングやキャビテーション現象については他の技術誌を参照されたい。
4.清水用水中モーターポンプの故障
・地上5階建ての地方の事務所ビルの給水方式は、受水槽+揚水ポンプによる高架水槽方式であった。竣工前は突貫工事であり、揚水設備を仮設用水として使用していたが、1台は竣工前にもう1台も竣工日当日動かなくなった。
・原因はポンプの軸受け部その他に砂や木片が噛んでいたことで、工場で分解清掃した。受水槽も清掃した。
・評価すれば「オソマツ」なトラブルである。水中ポンプを使用する際の注意事項は解説されているが、各社の技術資料や標準仕様書に記されているものと同じようなものと思う。