「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑪
2021年01月26日
26. 伸縮接手からの漏水①―伸縮継手は固定しなければならないー
・某保険会社の研修所は本館と別館に分かれており、冷温水や給排水は別館への廊下の下のトレンチ内に配管がおさめられていた。定期点検の際にトレンチ内に漏水が溜まっていた。
・伸縮接手を固定していなかったため、配管の伸縮と一緒にい移動して、トレンチの梁に接触して変形破損したものである。
・対策としては、トレンチ内天井に取付金物を設置して伸縮接手を固定した。
27. 伸縮接手からの漏水②―水圧試験の時は、伸縮接手を取り外して行え―
・中央式給湯配管設備で伸縮接手からの漏水が多発。しかも使用前に発生している。
・伸縮接手の使用圧力と耐圧検査圧力が、給排水設備配管の水圧試験の圧力より小さいものがあり、伸縮接手の種類によっては耐えられないものがあるので要注意である。
28. 伸縮接手の支持方法の支持方法の誤りによる漏水―複式伸縮接手は固定し、前後にガイド支持を取りつけよー
・某ビルの地階機械室の給湯用天井配管が漏水した。原因は伸縮接手が固定されていなかったためであった。
(コメント)冷暖房設備配管や蒸気暖房配管での伸縮接手の使用は常識であるので、空調設備工事会社にいた者としては、信じられない話であるが、給湯設備の中央方式が普及するようになり、給排水設備技術者の技術力が追い付かなかった頃のトラブルと思われる。