「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑮
2021年02月01日
37. 洗面器へ厨房器具排水が逆流ー厨房の排水設備計画は種々のケースを考え、慎重にー
・某事務所建築の社員食堂の洗面器のポップアップを開けたところ、汚水が噴き上げた。
・洗面器は隣の厨房の壁に取付けられており、排水管は厨房の二層シンクと配管接続されて、厨房側溝に解放されていた。この配水管が詰まっていたため、アフレ縁の低い洗面器に逆流した。厨房のレベルは食堂+250であった。対策は言うまでもない。
(コメント)「先が詰まれば手前であふれる」のは排水設備の鉄則である。下流側のつまりの可能性につては常の注意しておく必要がある。
38. 排水管の伸縮騒音―排水管もお温度により伸縮するー
・某マンションで浴槽を排水するとコトンコトンという異常音が発生するとの事。どこでもある話であるから、詳細は省略する。
・配管類が内部の流水の温度により膨張収縮し、これに接触している建築材料により音が発生することはよくある。原因不明の騒音(不思議音)については、「マンション設備のポルターガイスト」と題して『マンション設備『マサカ』の話』に述べてある。
39. 水中ポンプ用ケーブルの絶縁不良ー水中ポンプ用ケーブル配管の支持は確実にー
・某ビル地階の排水ポンプが運転せず、床上迄汚水が溢れて地階の飲食店等が営業不能となった。
・原因は水中ケーブルがきちんと固定されておらず、配管にテープで止めてあっただけであったため、テープがはがれ、排水ポンプのON-OFFに伴う水位の脈動により、配線接続部に吐噶喇が加わり絶縁不良になったものである。
(コメント)『マサカ』以前の『オソマツ』な話であるが、排水ポンプに限らず水中ポンプのケーブルや、レベルスイッチ類の固定は重要であり、各社の標準仕様になっていると思う。