「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑯
40. 電極スィッチの接続不良―電極スイッチはつ炉の邪魔にならないように取りつけよ「
・①機械室が狭く、排水ポンプ用電極棒スイッチ保持器に管理者が躓き、接触不良で自動運転不能となった。②別の現場では受水槽の給水管近くに電極棒を設けたため、水面の波動で電極棒の接続ビスが緩んで接触不良となった。
・①では、鉄板製のカバーを付けて、目立つように赤色のペイントを塗り、②では、手直しの上、波除の板を設けた。
(コメント)これもよくある『マタカ』の話である。
電極スイッチ取付上の注意はいろいろ書かれている。
41. 床は井水のトラップ封水の跳ね出しー追加工事もイージーに処置するなー
・某デパートの9階厨房のグリーストラップ排水竪管(単独系統)に、途中階テナント床排水を追加工事で接続したところ、床排水の封水が跳ね出し、臭気が逆流した。
・原因は①管径が細かった(100φ)。②通気方式は伸頂通気で通気竪管はなかった。③排水桝が小さく桝が排水で充満し、管の末端が水没する状態がt、続いた。ここには地階の排水ポンプの排水管も接続されていた。ピークが重なると、鋳鉄製のマンホール蓋が噴き上げられたそうである。
・対策は、別系統で排水竪管を設け、上記排水桝の下流側の桝に接続した。
(コメント)私見では上記③が直接原因であると考える。
42. 下の階の大便器への逆流―床上大便器の排水管の勾配に注意せよ。
・6階建ての某マンションの2階住戸の床上大便器に、上階の汚物が流入した。
・排水竪管と大便器のそれぞれの接続口レベルが、逆勾配であった。
・大便器の据え付けレベルを30~45mmを上げることとなり、床をあげることにより解決した。
(コメント)床上排水タイプの洋風大便器が一般的に使われるようになってから時々見られた事例である。大便器のすぐ後ろに竪管がある場合は、継ぎ手の形状によっては、上階からの排水が流れこむ場合がある。小生は同僚の住むマンションの排水管取り換え工事の際に、接手をTY型に取り替えさせた。