「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑰

2021年02月06日

43. 通気管の脱落による結露―通気管の配管工事も慎重にー

・①某マンション最上階の二重天井内にて、通気管の接合部が外れ、通気管内の暖かい空気が外壁側に結露し天井にシミが出来た。②通気管の末端が梁の途中で切れていて、梁貫通の内部で結露した。

(コメント)ありうる話ではあるが、筆者の経験はない。ここでは大気開口部の処理についての解説がある。通気管の外部結露もあるので、開口部から1~2mまでは断熱が必要である。


44. 通気竪管が排水管となった―排水管通気管は単独で立ち上げよ!―

・延べ面積3,000㎥、地下1階、地上4階のリゾートホテルで、竣工後3年頃より、地階の排水ポンプの自動運転が頻発した。

・当初は、湧水の急増や、給水管の破損などと考えられたが、屋外流しの増設工事のため排水桝を開けたところ、ピーク時にもかかわらず、ほとんど水が流れていなかった。

・地下排水槽の通気管が単独で立ち上がっておらず、地上階部分の排水通気管の機転の直上部に接続されていた。地上階排水管が排水桝までの途中でつまりを起こし、地上階の排水は、通気管を経て排水槽に流入したものである。対策としては、工事が難しくつまりの清掃のみであった。

・別事例①:汚水槽と排水槽の通気管が共用でなおかつ槽内で結ばれており、汚水ポンプの故障により汚水が通気管経由で雑排水槽にはいり、道路側溝に排出された。

・別事例②:排水槽に通気管が全くなく、排水ポンプの運転のたびに槽内が負圧となり、衛生器具のトラップの封水がゴボゴボ音を立てたり、封水が吸い出されたりした。

(コメント)筆者は経験ないが、必要なものをキチンと施工しなければどうなるかという貴重なトラブル事例である。このような話はなかなか表に出てこないので『マサカ』のトラブルが減らないのである。


45. ウォータークーラーへの排水逆流ー「間接排水」は特に確実に行え!ー

・4階建ての某会館で、竣工後数年で1階ロビーにあるウォータークーラーの排水が流れないというクレームが発生した。

・この排水管は間接排水でもなく、トラップはしで、ベランダ雨排水管に接続されていた。御子貝排水桝が詰まったため逆流したものである。なお位階床は外部GLより低く勾配も十分とれていなかった。対策としては、排水管を地下の排水層までたち下げることとした。

・竣工後の建物に衛生器具の増設が要求された場合、とかくイージーな方法で処理されがちで、また職人に任せてしまうことが多い。要注意である。

・参考資料として、HASS206「給排水設備基準」から、6.1 間接排水とする機器・装置の説明が記されている。


  







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