「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)㉑

2021年02月15日

55. ユニットバスルームの排水詰まり

・某マンションの大便器で排水詰まりが頻発した。排水横引間と汚水竪管との接続部は、ゴム製のフレキシブルジョイントが使用されていたが、竪管の異形管取出し方向に狂いがあり、これを無理に接続したためフレキシブルジョイント にくびれが生じ、その部分に万年筆が食い込んで、個々の汚物が引っかかったものである。

・フレキシブルジョイント接続は、配管位置のずれが多少あっても用意に接続できるのは便利であるが、上記のような『マサカ』のトラブルもあるので、寸法取りに注意が必要である。


56. ガス設備に関するトラブルーガス設備の施工は慎重にー

・その1:某事務所ビルで、都市ガス配管が完了し、ガス栓を開いて空気とガスの置き換え作業を行った。その際ある階にあったテナント用のガス栓を閉め忘れたため、建築作業員がガス中毒で倒れる寸前となった。

・その2:某マンションで、二重天井内の排気管(煙突?)の銅板の接続が不完全であった為、天井下の浴室で入浴中の人が昏睡状態になった。

・その3:某レストラン厨房で開店前に、遠くにあったメインコックを閉じて各器具の手元コックを開いて手入れを行った。他の料理人がこのコックを開いたため、手入れの終了後ガスレンジに点足したところオーブン内に充満したガスが爆発した。

※この項には、参考資料として通産省令の「ガス工作物の技術上の基準を定める省令」抜粋が掲載されている。


57. ガス器具の排気筒からの逆風―ガス器具の排気筒の設計・施工は慎重にー

・某9階建てマンションの8,9階厨房で、レンジフードを運転せずに使用した場合、共用排気シャフトからレンジフードへの逆風の吹込みでバーナーの火が消えるというクレームが発生した。レンジフードにはシャッターがなかった。

・排気シャフトは設計時には塔屋屋上まで立ち上げることになっていたが、施工中に建築施工会社の要望で塔屋壁面設置となった。壁面が北側であった為。風の強い日に逆風が入ったのである。

・原設計に戻すことにより解決した。

(コメント)これは換気設備のトラブルである。したがってタイトルは、「マンションの厨房排気シャフトの排気逆流事故」である。このトラブルを報告した方は、衛生設備施工会社の方ではないかと思われる。正しい原設計をトラブルが発生しやすい形へ変更するなどは、筆者の経験ではありえないが、マンション建設の初期には、施工が愛車も設計事務所も経験不足であったと思われる。

 















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