「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)㉒

2021年02月18日

58. (配管)支持金物のボルトの捻子切れによる漏水-支持金物の取付は確実に―

・某事務所ビル地階機械室の天井配管を支持していた型鋼の1か所は脱落した為、他の型鋼も脱落して、配管水が数メートルにわたり垂れ下がった。このうちスプリンクラー主管はねじ込み接続であったため漏水事故となった。

・事故原因は良く分からなかったとの事であるが、数社の業者によって配管が施工されたので、当初より余計にかつ無責任に支持されていたようである。

(コメント)滅多にないことであるが、HASS204の「給排水設備基準、どうりに施工しないとこのようなことが起きるという事例である。なお、固定していなかったため、揚水管が左右に蛇行・振動した事例も紹介されている。


59. 風と自重で煙突が倒壊―支持金物の取付に注意せよ―

・某会館ビルで、建物の外壁の沿わせて立ち上げてあった鋼板製煙突が竣工後4年で倒壊した。

(コメント)HASSにある「鋼板製煙道の取付け」の基準が紹介されている。


60. 施工中の養生不備で配管破損ー配管の養生も作業の一部である―

・地上15階、約600世帯の集合住宅で、厨房排水管が詰まるようになった。

・竪管は80φの「白ガス管で最低部の曲がり管より横主管(地中配管)は硬質塩化ビニル管であった。配管の一部を切断調査したところ、20φの鉄管が2本入っており底部のビニル管を突き破っていた。故意か養生が悪かったかは不明であるが、配管接続時に内部点検が悪かったのは確かである。

・養生不十分や管内清掃に不完全に伴う『マタカ』の事故事例が紹介されているので上げる。   ➀フート弁にゴミが挟まり、ポンプが揚水不能となって、給水停止。②ボールタップが止まらなくなり、受水槽や貯湯式湯沸し器等が溢水。③ロータンク、フラッシュ弁の水の出っぱなし。④水栓類の水が止まらない。⑤減圧弁の作動不良。⑥病院で水薬に浮遊物が出た。⑦開店祝いのレストランの料理の中にコンクリートの切り屑が入っていた。⑧シャワーの混合部に切り屑が入っていて給湯が少量しか出なかった。⑨弁類が開かず、耐久性が落ちる。➉貯湯タンクの加熱コイルに切り屑やごみが溜まっていて、約1/3に蒸気が通らず、温度が上昇しなかった。⑪排水つまりの原因。⑫ルーフドレインや、床排水の防水受けつばのm水抜き用小穴から、モルタルに近い水が入って、管内がモルタル詰めになった。

(コメント)配管工事中の配管に対する養生の不備による事故例は上記のように非常に多い。事故の直接原因は配管施工業者ではないこともあるが、他業種の物が余計なことをしないような養生を行っておくのは配管施工者の責任と言える。この書の発行されたころは、コンクリートやモルタルを流し込まれたりする話はおおかったが、最近はこのようなことはどうなっているのであろうか?







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