「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑤
8.量水器の取付ミスによる計量不足ー一般の量水器は逆取付でも指針が動くー
・某都市郊外に立つ企業の独身量で、不動産管理部門の担当係員が、各施設の光熱費を調べていたところ、ほかの寮と比べ、水道料金が極端に少ないことが分かった。給水方式は機械室受水タンク、揚水ポンプ、屋上タンクによる重力式である。
・調べたところ、給水引き込み管の量水器が逆向きについていることが分かった。
・水道局の担当員が取り付けた際に現場係員が立ち会わなかったのも原因とのこと。
(コメント)水道局に申し出たかどうかは不明であるが、バレたら追徴金ものと考えられる。どのように対応したかを知りたい
9.給水管径と量水器口径を同じにしたトラブル
ー量水器の摩擦抵抗は器具の最大水量に見合うかー
・地上5階建ての社員用集合住宅で、4,5階の便所の排水が悪いという苦情が発生。便所は大小兼用便器で、洗浄弁方式を採用している。
・竪管からの取り出しは25㎜であり、量水器も25㎜で、この抵抗が大きすぎるため吐出量不足となった。対策としては量水器を口径40㎜のものに替えた。
(コメント)住宅の便器はロータンク方式が常識である。水頭損失等について、いろいろ解説されていたが、対策は仕方ないとして、住宅設備では洗浄弁(フラッシュバルブ)方式としてはいけないことを述べておいてほしかった。集合住宅では音のトラブルにつながる。このような設計があったことも『マサカ』の話である。
10.高置水槽に対する量水器の取りつけ高さが不足ー量水器の流入側にも水圧が必要ー
・高架水槽の給水出口側にヘッダーを設け、テナント用の私設量水器を設けたが、その系統だけ水の出が悪かった。量水器のレベルは高架水槽と同じ階であり、水圧が少なく量水器内に滞留した空気が抜けなかった等が原因であった。
・対策としては、量水器を下の階に移設し、空気抜き弁も取り付けた。