「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑦

2021年01月18日

14.外国製器具の水圧不足による機能不良-外国製品と日本製品の差に十分注意せよ―

・4階建、3,4階が住居の複合用途建物で、給水方式は重力式(高置水槽方式)であり、屋上階機械室の給湯用ボイラを経て4回厨房に給湯されていた。屋上タンク底部と4階床までの高低差は7mであった。

・竣工当初から厨房流しの出が悪く、皿洗い用のシャワーは全く使えない状態であった。

・施主の意向により、工事中に国産品の器具を外国製品に取り替えたため、水圧不足となったのである。高級マンションが出始めた頃の初期トラブルと言える。

・対策は、加圧ポンプの設置、ガスボイラを中圧式に変更した。

(コメント)外国製品の使用に関しては、使用水圧の他、水道局の認定を取っているかの確認も必要である。認定品でない器具を採用したため、水道局の各戸メーターを貰えず、管理会社が検針、料金の算定、徴収を行わなくなった事例がある。


15.壁取付けの水栓接続部からの漏水ーWねじになる継手は、両方の締付けを完全にー

・いわゆる、持ち出しソケットによる漏水事故である。昔はコンクリート壁の埋設配管が多く建築仕上げ面との調整が難しかったのでこのような事故が多数発生居ていた。

・現在は配管スペースを取るかブロック内配管としていることが多いのでこのトラブルは少なくなったと思われる。(現役の皆さんのご意見は如何でしょうか?)


16.配管内の流水音が壁に伝播ー集合住宅設備は独立していても、建物構造は共通であるー

・給水管、給湯管をコンクリート躯体に埋設したために、水栓類の作動音や流水音が別の階に伝播しトラブルとなった、古典的な『マタカ』のトラブルである。

(コメント)現在ではこのような配管スペースの計画はないと思うが、設備技術者は躯体伝播音がトラブル・クレームの原因になる事を常に気を付ける必要がある。

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