「給排水設備トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会)⑧

2021年01月20日
17.  ウォーターハンマーにより量水器が破裂ー機器のメカニカル継手は衝撃による編応力に弱い!

・都心の某オフィスビルで地下受水槽に、弾きこみ管75㎜で給水。量水器は受水槽近くに設けた。

・昼間と夜間の給水圧の変動が激しく、しばしばウォーターハンマーが発生していたが、ある日量水器部分から溢水し床上まであふれて電気室まで浸水した。復旧まで1っ週間程度かかった。継ぎ手の

・水圧変動は、よくあることであるが、ここでは消音のため吐出管が水面下に延長されており、受水槽内の水位変動により逆圧がかかっている。また、設置スペースが取れなかったため量水器が地階に設置されたため余分な水圧がかかってしまったのも原因である。

・急激な昇圧がストレーナと量水器を接続するっメカニカル継手の鋳物がひび割れしてねけおちたのである。

・対策としては量水器をL形鋼と工房で補強し、受水槽の給水管に空気抜きを取付し、給水管には空気室(エアチャンバー)を設けた。

(コメント)消音のため給水管を水面下まで延長した理由が不明である。騒音対応に過敏であったのであろう。建物によっては量水器を一階敷地に取付ける場所が取れないこともある。玄関わきにメーターボックスを付けたくない建築設計者の気持ちはわかるが、譲ってはいけない。当時は建物内地下にメーターボックスの設置は認められていたのであろうか?小生はやったことはない。


18. 現地調査の不十分による設計ミス―消火栓の位置だけで、本管の位置推定は危険であるー

・住宅の衛生設備の設計・施工にあたり、現地調査を行ったところ、前面道路に降雪の消火栓が2か所設置されていた。(現場道路前には設置されていなかった)ということで水道局に本管の有無を確認せずに設計を行った。

・施工にあたり水道局に申請書を提出したところ、前面道路には水道本管が施設されていないことが分かった。

・工事費が高額になるため設計ミスを詫びて同じ敷地内の隣の建物より分岐してもらった。

(コメント)計画地が不明であり、何十年も前の事件であるが、「オソマツ」である。


19.水圧試験は行ったが継ぎ手から漏水ー水圧試験の時は、繋ぎをチェックせよー

・大都市の屋内体育館のバスケットボール室内競技場で消火栓配管からの漏水事故があった。

・バスケットコートの観客席は円形の階段状になっていたので、消火栓本管は、客席形状に合わせて円形に曲げて管の接続はフランジ接続とした。(枝管は本管から取り出し、直管で消火栓に雪像されているようである)

・コート床面を塗装仕上げげする際に床張りの板が湿気を含み、中央部にかけてもろ上がっていることが分かった。床面にはプールのように耐水していた。

・水圧試験では最終試験でフランジ部分でチェックする事。

(コメント)建物形状に合わせて、配管を加工しておさめることは漏水の原因になりやすい。フランジ接続となるが微妙な隙間が生じやすい。このようなところでは直管+エルボ返しで配管を行うことが望ましい。


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