「給排水設備:新トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会編)⑬
2021年08月29日
27.ステンレス鋼管給湯管からの赤水
- ステンレス鋼製貯湯槽とステンレス鋼管の給湯設備で、竣工後一年足らずで赤水が発生した。
- 原因は貯湯槽出口の80Aの鋼鉄製バルブの腐食であった。絶縁フランジを介していたが、給水方式がポンプ直送式であったため、過飽和の溶存酸素はあった事と、水圧が4㎏/㎠の加圧方式であったため、溶存酸素が分離せずに、鋳鉄製弁を腐食させたものである。
- 対策はバルブをステンレス製に交換した。
(コメント)解説では、各種金属の電位差の表とステンレス鋼管の接合方法と適用管径の表があり、参考になる。
28.食器洗浄機仕上げ湯の水圧不足
- ホテルの食器洗い場で、ピーク時に多数の洗浄機を使用すると、圧力が下がり、圧力変動によるハンチングで温度に違いが生じ、仕上がり状態にムラが生じた。
また、異常高温や仕上げ湯の減少も見られた。尚、経年劣化で館内も細くなっていた
- 対策として、ブースター用ラインポンプを設置して水量を確保した。珍しいトラブルである。
29.ホテルの給湯管(銅管)の腐食
- よくある事例で、カイ食と孔食について、発生原因や対策について解説してある。
- 筆者の体験では中規模ホテルで、厨房系統の給湯管が、給湯循環水が客室系統より湯の廻りがよく(流速が早い)、わりと短期間でカイ食が発生した事例がある。