「給排水設備:新トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会編)⑳

2021年09月23日

51.某高等学校における、和風便器フラッシュバルブからの漏水

  • 男女共学高等学校で、竣工半年ごろから、和風大便器のフラッシュ・バルブからの漏水事故が発生した。
  • 原因は生徒が足でFVを操作した(蹴とばした)ためであった。
  • 対策としては、FVを壁付として「手」で操作するようにした。

(コメント)小生の会社でも女子高!で、同じようなトラブルになったことがある。別な大学で、FVの押しボタンは壁付にしてほしい言われた事例について「猿以前の話」として拙著に載せた。

JRのトイレでは、FVは押しボタン式や、高い位置にある。

52.受水槽連絡管内の水の移動により赤水発生

  • 受水槽1300㎥、二基は地下三階で約60m離れて設置されている。揚水ポンプ等は、No2受水槽側にある。
  • 通常はポンプのON-OFFで赤水発生はないが、No2受水槽法定清掃時に、No1受水槽からの水に濁りや赤水が発生した。No1受水槽からの給水量が大きくなったため、配管内の錆等がはがれたものである。
  • 竣工15年を経過しているので、配管を塩ビライニング交換に取り替えた。

53.漏れたプロパンガスが熱気のために天井近くに停滞し、換気扇により廃棄されてたために発見が遅れた。

  • 某病院のプロパンガス設備は、50㎏ボンベ12本で、ボイラ、厨房、湯沸かし器に供給されていた。
  • 竣工4年目の法定検査で、本管に圧力をかけたが、20分後に0mmAqとなり、復旧まで使用停止となった。
  • 原因は、ボイラ室内の天井配管でのゆるみであった。漏れたガスは天井近くに滞留するが、排気設備により、熱気と一緒に排出され気が付かなかったものである。

(コメント)病院であるからボイラや換気設備は24時間運転であったので良かった。漏れたガスが、ボイラ停止時に下に溜まったら大きな事故になった可能性もある。また、漏れの程度にもよるが、ボンベの交換頻度が上がった事に気が付かなかったのであろうか?

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