「給排水設備:新トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会編)⑥
2021年08月05日
4.高置水槽、電極棒脱落による溢水
- 晴天時、雨水竪管からの流水音が発生。揚水ポンプが停止しないので、上記状況発見。
ポンプ停止用だけでなく、満水警報用の電極棒が脱落していた。
- 原因は電極棒保持器への取り付け不良。
5.大便器ロータンク給水接続部より漏水
- ロータンク接続管のつば付き部をカットして接続したのが原因というオソマツ事例。
6.水道メーターの寒波による凍結。
- 東京都内地上10階建て、157戸のマンションで、昭和59年1月の大寒波で、水道メーターの凍結による断水が30戸、メーター破損による漏水した住戸が7戸となった。
- この時の寒波では、駐車場ビルの感知ヘッドが凍結した(「『マサカ』の話」参照。
- 対策として、各戸用枝配管の断熱補強とメーターの保温カバー設置が提案されていた。
- 原因として配管シャフトの配置が北側で、スレートに囲われて点検口の上下の開口からの風通しの良いことをあげているが、問題はシャフトの配置である。
このマンションでは、各階の北側廊下の外側に共用階段があるが、PSはこの階段の両脇に廊下を隔てて設置されており、住戸側に配置されていない。どうしてこのような配置にしたのかは不明であるが、このような配置では、コンクリートシャフトにしなくては、寒波に弱いのは当然である。この時の大寒波でも他のマンションでの水道メーターの凍結・破損事例は全く聞いていない。原因は、住戸側にPSを設けなかった建築計画にあるといえる。