「給排水設備:新トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会編)⑧

2021年08月11日

10.高架水槽の電極棒接触による断水

  • 高架水槽内での水位の上下により、電極棒が微量変異して、他の電極棒に接触したためである。
  • 詳細は省くが、この事例では、電極棒が短く、スペーサー(ガイシ)が取り付けられていなかったため電極間の接触となったとの事。通常スペーサーで固定されている場合は、電極間の接触による誤動作は発生しない。

(コメント)設備設計の専門家としては、こんなトラブルもあるんだという思いである。しかし、施工関係者としても、このようなトラブルの予防は難しいと思う。それぞれの専門施工会社での責任施工の範囲であると思う。

11.定水位弁の騒音発生

  • 14階建てのマンションで、下階用に系統分けし7階に設置した減圧タンクで騒音が発生した。
  • この事例の減圧タンクは1m³と小さかったため、副弁用のボールタップ用のパイロット管が短く、この配管の固有振動数が、浮子の上下動による振動数と共鳴しやすくなったものである。
  • 解決策はいろいろあげられているが、この事例ではボールタップを呼び径50㎜の者に取り替えた。

(コメント)7階以下の住戸数が不明であるが、減圧タンクを高架水槽と考えれば、1m³は小さすぎる。解説には、設計上の問題としては取り上げられていなかったが、住戸数に見合ったタンクであれば、このようなことは起こらなかったと思う。

12.自動交互運転のポンプの切替時の運転停止事故

  • タンクレスブースタポンプ方式採用の24時間運転の某工場で、夜間操業中給水が停止した。給水ポンプの突然の運転停止のためであった。
  • 自動交互運転方式のポンプシステムで、切り替えは午前0時であったが、マンションなどと違い、24時間操業の向上のためポンプ運転交代時にも水は使用されていた。
  • 原因については詳細説明があるが、切替時の数秒の電源遮断があったという事である。
  • 午前0時頃の使用水量がほとんどゼロの場合は、数秒間の電源遮断は何ら影響はないが、このような事例もあるという事である。
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