「給排水設備:新トラブル事例・対策集」(日本建築設備士協会編)⑩
2021年08月18日
17.ポンプ系配管の騒音発生
- 某ホテルの宴会場で、竣工後騒音トラブルが発生した。
- 宴会場のすぐ下は機械室であるから、マタカというより、オソマツなトラブルである。原因についてはいろいろ述べているが、建築計画上の問題である。この時代は建築計画上の問題点を指摘することを遠慮しているようであるが、設備で対応すればよいという考え方が、建築設計者の配慮不足となった好例と言える。対策は述べるまでもない。
18.圧力タンク給水装置と減圧弁組合せ方式による給水系のウォーターハンマー
- 3階建てマンションの圧力給水装置で、ポンプ出口で6⇒3kg/㎠、1,2階では3⇒2,2,7⇒2kg/㎠に減圧されていた。水栓の使用により騒音と振動(ウォーターハンマー現象)が生じた。
- 原因と対策についてはいろいろ書かれているが省略する。
(コメント)減圧弁を何故個所も解けたのか不思議である。ポンプ出口にはつけず、3階に減圧弁をつければ簡単なシステムとなると思うが、この案については述べられていない。
19.水飲み器からお湯が出た
- 水飲み器は、貯湯タンクと同じフロアで、ここへの給水管から分岐されていた。逆止弁はなくU字型配管となっていたが、給水管内の水が伝熱・対流により湯となって水飲み器から出たものである。
- 対策は逆止弁取り付けで解決したが、これもオソマツなトラブルである。
20.減圧弁の騒音発生
- 14階建てのマンションで7階と6階の間に減圧弁が設置されており、夜間になると振動音らしき騒音が近くの住戸からのクレームとなった。
- 減圧弁は流量が極端に少なくなると、設定水圧の保持ができなくなるばかりでなく、水栓等の作動時に振動を発生しやすい。
- 対策としては、枝管ごとに減圧弁を設けることを望ましいとしている。
(コメント)このトラブルは31m以上のマンションが計画されるようになって発生した。
現在は超高層マンションでは各住戸ごとに減圧弁が設置されている。