「設備工事の失敗例と対策」冷暖房換気編⑭
2020年11月21日
1.2.31 涙をこぼしたダクト
-浴室のダクトや厨房の皿洗い機の排気ダクトなど、水蒸気が通るダクトの接続フランジは、ゴム製ガスケットを使う-
これも施工の常識である。ここでは凝縮水の蒸気ドレンの捕集器をその構造の図と一緒に提示されている。各施工会社には施工基準として決められているものと思う。
1.2.32 持病の多い蒸気コイル
-蒸気コイル内のドレンの排出が悪いとコイルを破損する-
これも蒸気コイル破損事例の原因と対策の説明である。事故例は上記コイル中央部・下部・Uベンドの亀裂、蒸気ヘッダーからの接続チューブの亀裂やろう付け部蒸気漏れなどである。最近のトラブル本には紹介がないであろうから、取り上げる。
- 事故原因・・・凍結、熱応力、チューブの腐食、スチームハンマーのうち凍結と熱応力
- 熱応力事故の原因・・・➀上記コイル内の熱分布の不良、②下部上記コイル内に凝縮水がたまると、上部の蒸気コイルとの温度差が大途なる、③蒸気コイルが長いとチューブの伸縮量が大きくなる。
- 事故対策・・・➀コイルの熱分布を良くするため、蒸気入口管はヘッダー中央に接続し、》邪魔板を設ける。②上記コイルは縦型とする。③凝縮水を連続排水し、空気排出能力の優れたトラップを用いる。④真空破壊装置を取り付ける。等々である。