「設備工事の失敗例と対策」冷暖房換気編⑯
2020年11月25日
1.3.1 換気を止めた中華料理店のダクト
-ダクトの凹部に換気中の油脂が溜まる-
竣工後半年ほどで排気が悪くなった。梁巻ダクトの断面50%程油脂が溜まっていた。
ダクト底部に排水パイプとトラップを取り付けたとの事。当初の建築計画ではこの位置には梁がなかったのであるが、上階の荷重変更で梁の位置と梁成の変更があった。
建築設計者は、ある階の変更が下の階に影響を及ぼすことに気が付かないことが多い。
1.3.2 送気管内で幌布が膨らむ
製紙工場における、裁断機にかけられた古新聞・古雑誌・ぼろ布などの送気管のトラブルである。時々つかえるというであったことで調べたら、裁断されたものが空気に乗って送られているうちに容積を膨らませており、曲がり部で引っかかることが分かった。裁断物を良くほぐしてからホッパーに入れることとしたが、ダクトを大きくすることで解決した。
一般換気設備では見られないトラブルである。
1.3.3 木材チップが湿っていた
-製材所の除塵装置が働かない-
製材所の除塵装置のトラブルである。施主は木工場の除塵といえば、どんな木材でもかまわず、その上乾いていようとが、湿っていようが同じだと思っていたらしい。
設計では乾燥した鋸屑を吸い取るようになっており、木材も桐がほとんどであったが、社会需要の変化から重い木材に変わり、その木材は雨にあたっているという状況であった。
ファン・モーターの取り換えとなったとの事であるが、設計条件の変化は失敗ではないと思う。