「設備工事の失敗例と対策」防音設備編➀

2020年12月06日

3.2.1 耳の不自由な方の早耳(出典にある不適切な用語は変えました)

-周波数を勘違いした防音壁-

金属加工の工場主が、長年の間に耳が遠くなっていた。自分の部屋を増築するに当たり、音が筒抜けにならないように設計を依頼したが、出来上がった結果はその通りではなかった。

設計者は、工場主は「耳の不自由な方」であると考えて遮音効果の低い設計としていた。

「耳が不自由」と言っても本当に何も聴こえない者と、少しは聞こえる者、特定の周波数だけ聴こえにくい者などがある。

ここの主人は、職業上ある特定の周波数が他の周波数は難聴という事であった。それを、殆どの音が平均して聞こえにくいととらえたのが失敗であった。

3.2.2 ディーゼルエンジンの排気筒が室を振動させる

―共鳴音がシャフト壁を揺する-

新築ビルの地階に据えたディーゼルエンジンを試運転すると7階の室の壁が振動して騒音が発生し、室内で仕事が取れないとの事。この書では結局マフラーを取り替えることとなったがそれまでの苦労が大変であったとあり、理論と施工の問題点を指摘していた。

筆者の意見では、原因は共振であり、7階の壁だけの問題点(他の階では発生していない)ならば、壁の構造(補強の仕方・追加、仕上げ材の変更など)の変更で対応できたと考えられる。

3.2.4 遮音壁が次第に遮音しなくなる

-ブロック目地の施工-

遮音壁にコンクリートブロックで施工したが、出来た当時は隙間がなかったが、日が経つにつれて隙間が出来てしまったとの事であった。

3.2.5 パンチャーの音が試聴室へ

-近接した換気ダクトから伝送音-

パソコンの普及した現在は亡くなってしまった騒音源からダクトを伝わって、病院の耳鼻科の試聴室に音が伝わったという事例。マフラーを挿入して解決した。

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