マンションと水害
今年の連続台風による氾濫、浸水被害については、治水の大切さを知らされたが、個々の建物の浸水対策については、建築関連の技術者として関心のあるところである。
1階が水没するほどの河川の氾濫には対応しようがないが、いわゆる内水氾濫程度の雨水については、建築で十分対応可能である。このあたりの話は、僕の本にも書いてあるし、建築設備トラブルのセミナーでも取上げている。
今回の武蔵小杉のタワーマンションの浸水事故では、(原因不明のためであろうが)マスコミは浸水の原因とかを究明せずに、ただただ建設地とタワーマンションに問題がある報道だけをしているのは問題である。
少々堅苦しい話となるが、読者の皆さんに問題提起して、マンショントラブルについて認識をしていただきたい考える。
◆電源喪失時の問題はタワーマンションだけではない。
:昨年の北海道の地震では、昔の会社の知人に連絡したら、エレヴェーターが動かないので、1階から7階までバケツで水を運ぶのが大変ということであった。停電事故となったら、ほとんどすべての高層マンションで水が出ずにエレヴェーターも動かない。
マスコミならば、マンション全体についての電源確保に重要性について問題提起してほしい。(住人は御承知の事であろうが)
この時、僕の泊まったのは9階であったので10時のチェックアウトまでは下に下りなかった。その後のチェックインの際は、低層階の部屋をお願いした。
◆なぜ地下に浸水したか。
:マスコミはこのような低水位地域にマンションを建設することの問題点や危険性ばかり報道しているが、浸水していないマンション方がはるかに多い。設計と管理で十分対応可能である。
:原因は建築設計か、マンション管理にあると思われるが、デベロッパー、設計施工会社は大手で、経験豊富であると思うので、浸水の原因はマンション管理のせいであろうと推定する。
:設計に問題点があったとすれば、オソマツである。
:管理上、このような事故の際の対応が難しい設計になっていた場合には、設計上の配慮不足ともいえる。