建築・設備のトラブルとハインリッヒの法則④
2021年05月06日
4.軽微な事故原因が把握できずに大事故につながった
P社のガス湯沸かし器による人身事故も、ハインリッヒの法則が当てはまると考えられる。当初の湯沸し器不着火トラブルがヒヤリハットなのか軽微な事故なのかの定義づけは不明であるが、ともかく大事故への前哨であった事は間違いないので、この法則の実証事例と言える。
残念なのは、多数の事故事例に対してその原因が、メーカー一社では把握できなかったことである。原因はサッシの気密度向上にあり、換気扇・レンジフードの運転で湯沸し器の排気ファンが能力不足となったことである。その場合もワンルームマンションのサッシの気密度や給気口の大きさと個数、換気扇・レンジフードの能力の違いによってトラブル発生の状況に違いがあり、最悪の状態で人身事故のなったものである。
これについては、拙著「マンション設備『マサカ』の話」の第1章、「高気密化のトラブル相談」で詳述しているのでご覧ください。