建築・設備のトラブルとハインリッヒの法則⑤
2021年05月09日
5.原因は分かっても対策が遅れたため、人身事故になった。
ヒヤリハットと軽微の災害の原因は把握できたが、抜本的な解決策が出来ずに人身事故になったのが、回転ドアの事故である。建築設備トラブルにハインリッヒの法則は成り立たないと述べたが、手直しのコストがそれほど高額でないことも重大災害を防止している側面もある。排水槽の事故はメンテナンス頻度を上げただけでヒヤリハットが止まっている。渋谷のスポーツ施設でのガス爆発は、ガス感知器があれば防げたし、この費用は全体工事費の中ではわずかである。
ガス湯沸かし器の不完全燃焼事故は、器具使用時に窓を少し開けてあれれば発生しない。(最終的な解決には若干の費用が発生し、負担者がどこになるかの難しい話があるが・・・)
回転ドアは取り替えるとしても、金額が大きい。ということで姑息な対策のため大事故となり、ハインリッヒの法則を証明することとなってしまったのは残念であった。