建築設備の解体新書入門⑥
2022年11月30日
(4)電気・給排水・空調・換気設備の特徴②
◆工学的位置づけ(各分野ごとの専門工学)・・・各設備は工学の分野に位置づけられるが、以下のような特徴がある。名称は筆者がつけたので一般的ではないかもしれない。
:空気調和・換気・給排水・電気設備のいずれも経験工学の要素が大きい。また、稼働率工学・負荷率工学の要素が強い。
:空気調和設備は、以下に説明するように、負荷変動工学といえる。
◆負荷変動の形・・・各設備とも負荷率工学の要素が強いが、その変動の形は各設備によって異なる。
:電気・換気:プラス負荷の連続一定(変動幅0~+100)・・・使用時間中は連続使用の形が多い
:給排水:プラス負荷の断続一定(変動幅0~+100)・・・給水・給湯・排水設備とも断続使用である
:空気調和:±負荷の連続変動(変動幅-100~+100)・・・暖房・冷房の運転の他、運転時間中の負荷変動が大きい。
◆要求される機能
:給排水・換気・電気:水の供給・排出、空気の供給・排出、電気・情報の供給といった単純な1機能のみ
:空気調和:建築物衛生法による諸機能の充足・・・上記負荷変動に合わせてこの要求事項を満足させる必要がある。