建築設備トラブル㉗ 現象要因別トラブル㉓

2023年10月04日

・利用者・使用者による破壊

 ある種の建物・施設では、使用者による破壊行為が予想されることがある。この場合は、設計当初から配慮しておく必要があるので、設計条件に挙げられ、実施設計段階では運用状況に合わせて詳細が決められる。普通の建物ではまれに普段使われない操作用端末の配置について指示があることはあるが、破壊行為を予想した設計が行われることは少ない。建物の利用者によって、施設が壊されたり、設備の機能不全を引き起こす例はよくあるが、設計者の耳に届くことは少ない。

(コラム)

<天井配置型機器類の意外なメリット>

 水熱源ヒートポンプユニットの出初めのころ、某行政のいろいろな部門が集まった施設で、このシステムを提案した。ユニットはカセットタイプであったが、施設管理者からは大変好評であった。(当時は空気熱源のヒートポンプは主として店舗用であって、ビルマルチ型も未だ開発されていなかった。) 好評の理由は、システム上のメリットだけでなく、ユニットが床置きではないことであった。訊けば床置きのファンコイルユニットには、利用者(特に子供たち)が腰かけたり(暖房時はお尻が暖まり快適である)ユニットをゆすぶったりなどして、本体を壊すというより、配管の損傷事故があるということであった。天井カセットタイプではその心配がないとのことで、意外な面でのシステムメリットを発見できた。

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