建築設備トラブル概論 9 設備トラブルの種類と区分②

2023年07月21日

2.設備機能別(工事項目別)トラブル

夫々の設備の分野でも、システムや機能によって発生するトラブルは異なる。これらは一般的には下記に挙げるように工事項目別に分けられることとなる。基本的にはエンジニアリングトラブルといえる。

(1)空調・換気設備

  • 熱源システム、水搬送・配管システム、空気搬送・ダクトシステム、
  • 冷房、暖房、給気、排気、動力、自動制御、
  • 熱回収、コージェネレーションシステム

(2)給排水設備

  • 給水システム、給湯システム、排水および通気システム、雨水排水システム、各種消火設備、ガス設備、鑿井設備、温泉設備、特殊浴場設備、プール(ろ過設備含む)、修景設備、各種水処理施設

(3)電気設備

  • 受変電設備、非常電源設備、幹線設備、動力設備、電灯コンセント設備、通信設備、電話設備、情報関連設備、避雷針設備、アンテナ設備

(4)その他設備

  • 別途設備、テナント発注設備、改修・リニューアル工事

 :これらの工事は事業者やテナントの直発注となる事が多く、全体システムとしてまとめる技術者が不在となり易い。従って個々の設備システムについては施工者側の技術者が管理できるが、各設備や建築との接点にトラブルが起りやすい。

改修・リニューアル工事の場合は、工事内容によっては、設計者不在や元施工と関係ない下位の施工者の施工というケースがあり、竣工時の品質を下回る場合もある。

3.発生部位別トラブル

(1)機器、器具、盤類

機器類本来の機能障害(故障等)だけでなく、機器類の運転・動作に伴うトラブルもある。

トラブル原因が機器単体のみによる場合は比較的対応が容易であるが、組みこまれたシステム全般の要因による場合は、原因解明が難しく解決に手間がかかる。

(2)配管、ダクト、電線類、及び部材

基本的には材料なので、経年変化または、設置状況に伴う腐食が主なトラブルといえる。

機器類に接続されている場合は、機器類の振動が伝わる。搬送される物の温度によりダクト・配管には結露が発生するので保温が必要である。特に電線管の内部結露は要注意である。

(3)制御・調整・計測用部材(ダンパー、バルブ、計器類)

工場生産品としては問題なくても現場で組込むとトラブルに関係することがある。

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