建築設備トラブル概論 9 設備トラブルの種類と区分③

2023年07月25日

4.機器・器具別トラブル(動くものと動かないもの)

選定条件、使用条件が適切であることがトラブル防止の必要条件であるが、使われ方が、選定条件に合わない場合はトラブルにつながる。

(1)使用時に動くもの

  • 熱源機・空調機・送排風機・ポンプ・自動制御操作機器

  :これらの運転に伴う、騒音・振動の発生は設備トラブルの大きな部分を占めている。

(2)使用者が操作するもの

  • 機器操作関係スイッチ類、バルブ、ダンパー類

(3)動かないもの

  • :照明器具・衛生器具・給排気口吹き出し口

   :熱は発生し、水や空気は流れる。従ってトラブルと無縁というわけには行かない。

9.2 発生状況による区分(機器・装置類の運転に伴い発生するもの)

(1)定期的に発生するもの(トラブル発生のパターンが決まっており原因を掴みやすい)

  • 運転開始時、停止時に発生するもの
  • 季節により発生するもの
  • 温度・風や日射によるもの
  • 時間経過後により発生するもの
  • 使用時に必ず発生するもの

(2)不定期に発生するもの

トラブルの中には、時々発生するが発生原因がつかめず解決が長引くケースがよくある。これらのトラブルは不定期とはいっても、一定の条件下でなければ発生しないので、関係者が様子を見に行っても再現することが少なく、どちらかというと「マサカ」に類するトラブルといえる。全くパターンがつかめない場合もあるが、よく観察すればパターンはつかめることが多い。ただし、複合要因が重なっている場合は、トラブル原因を該当設備に絞らず、使い方などを考えて総合的に判断することが必要である。

  • 自然現象や気候・気象に関連するもの
  • 運転・使用状況が不定期なもの

(3)機器・装置類の運転に関係なく発生するもの

 このような区分が適切かどうかは不明であるが、雨、風、日射等自然現象が原因の場合がこれに該当するといえよう。

 漏水トラブルに関しては、どちらともいえない。排水管からの漏水は、排水がないときには発生しないので、使用時に発生するトラブルといえるであろうが、給水・給湯配管や冷温水配管からの漏水は、水圧により発生するので、ポンプの運転に関係なく発生する。

このほかに、バスタブ曲線であらわされるように、設備が使われ始めてからの時間経過により発生するトラブルが異なるが、これについては別項で述べる。

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