建築設計と設備トラブル(3)-④ ~標準外業務のあれこれ~

2023年04月07日

(3)『依頼度』

 詳細は省略するが、官公庁物件では内部スタッフが手がける設計業務比率である『依頼度』というものがあったが、建築設計関係の3団体の要望により撤廃された。


(4)各種シミュレーション他

建築の計画・設計に当っては、出来上がったときにはどうなるか、シミュレーションを求められることが良くある。例を挙げると、

  • 温熱環境
  • (音響設計を依頼するレベルでない)音環境
  • 気流解析
  • (簡単な)環境アセスメント調査、などである。

これらに関して困ることは、設備技術者のいない建築設計事務所では、設備設計に対する原価意識が足りずに、簡単に安請負してしまうことである。いずれの業務も費用が発生する。この費用負担について、事業者側に求めることをせずに下請け側(ということは設備事務所)に押し付けるようなケースもよくある。

(5)その他サービス業務

  • マンション設計での、販売用パンフレットのチェック業務:販売用パンフレットの作成までは求められないが、これのチェック業務は無報酬のサービス業務であることがよくある。チェック漏れは販売後に大きなクレームになるので気を抜けない。サービスのレベルを超えた業務といえる。
  • 周辺敷地条件のチェック:マンションの竣工、入居後に隣の敷地に別な建物が出来てクレームになることは時々発生する。これを予防するため、最近は現状の隣接敷地を最大限利用して建物を計画したらどうなるか、の図面作成をサービスで求められることがあるそうである。

 以上のように、報酬をいただけない業務はたくさんある。設計業務に含まれない標準外業務を明らかにしておくのは必須のことといえよう。

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