空調設備のトラブル50③

2021年10月05日

(4)暖房損なう冷たい躯体―表面の冷たさは体感温度に大きく影響する=

①RC住宅で最初の冬に寒いという苦情が出て、温水暖房の水温をあげたり、部分的には電気ヒーターなどの追加で対応した。次の年には暑すぎると調整を要求された。

  • 苦情は、便所・洗面所・廊下など比較的狭い部屋で騎乗が起きた。(暖房設備の有無不明)躯体表面温度は初年度の冬で19.5℃~20.5℃、1年後は23℃であった。

RC住宅では、竣工は春先として、冷房期を過ぎてから暖房する場合は躯体の運土低下がない。

②個室の多い事務所建築の冷暖房を空冷ヒートポンプユニットで対応したが、初年度の冬に、外壁面の多い部屋で寒いというクレームが多発した。

  • この場合も竣工が冬期にあたり、最上階・北面・妻側などの非空調室で躯体の乾燥が遅れたためであった。

(5)日影もらって省エネルギー―西日が遮られて冷房府Kが軽減した事例―

  • 某ビルで竣工20年(この書の発行は1985年)に、ターボ冷凍機を入れ替えることになったが、ピーク時でも75%程度しか負荷がかからず、大きすぎる能力設定ではなかったのかという疑問が持ち上がった。
  • 数年前に、西側道路を隔てて高層ビルが建ち、午後2時ごろから日影により日商負荷が減少、空調機も劣化により100%負荷がかからなくなった。
  • このビルの空調システムは単一ダクト方式だったようで、外壁側には、ヒートポンプユニットを設置した。
  • この事例のように、日射負荷が小さくなった場合でも暖房負荷は小さくならないので、セントラル熱源設備の選定には注意が必要との事である、(特にガス・油冷温水発生機)

(6)照明器具も数多くつけば暖房機―白熱灯の発熱には注意しようー

  • ショッピングセンターで、3月に全街区運転と行ったが、室内が厚くなった。㎥
  • 設計当初は照明負荷は40w/㎥で計画されたが、売り場デザイナーの要求で120W/㎥となったためである。水冷パッケージ型空調機の増設で対応した。

(コメント)照明負荷増量の場合の問題提起ついて書類があったので、オーナー側に追加予算を出してもらったとの事であるが、設計者側で強く主張して問題の内容にしておくべきであったと思う。筆者の経験では、百貨店等の広い売り場で、照明器具売りが岳が熱くなった経験はある。この場合は、単一ダクト方式であったので風量調節で対応した。

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