空調設備のトラブル50⑤
2021年10月14日
(10)寒くて震える受付嬢―エントランスロビーの隙間風トラブルー
- 10,000㎥の本社ビルの、1階エントランスロビーで、受付嬢の「寒い」というクレームが絶えない。電気ヒーター付きのエアカーテンを設置したが効果がない・
- 原因・対策の解説には、ビルの出入口開閉時に侵入する外気が、床面を這って奥まで流れ込む現象について解説していない。風除室の暖房を行なうなら、あまり格好良くないが、床置きFCUの方が効果的である。
- 色々解説があるが、受付嬢の周辺を囲って、流れ込んできた外気が当たらないようにすれば問題ない。この場合は電気ヒーターも効果がある。
2.梁と天井裏スペースにまつわるトラブル
(11)風の通りは、のど元できまるー天井裏スペース縮小に伴う室内の還気不良―
- 天井裏スペースをレタンチャンバーとして利用したが端部の小部屋の換気が不良であった。
- 設計時点では、梁下から天井面まで150㎜のスペースがあったが、施工段階で天井高が100㎜上がった。そのため、予備の貫通スリーブだけが、レタンの通り道となり、端部の小部屋の還気不良となった。
- 対応としては、小型ファンを設けて、梁貫通を利用して大部屋の天井内に排風した。
(コメント)オソマツ以前の話である。大部屋も問題あると思われる。
(12)天井をあげたらクレーム続出―天井裏スペースと空調(ダクト)の機能不全―
- セントラルダクト方式で空調されている事務室で冷房が効かないので調べたところ送風量が設計値の半分しかなかった。
- 設計時2400の天井高が施工時に2600に変更され、梁下から天井までのスペースが、500から300となったため、ダクトの高さが350から200になったため、空気抵抗が大きくなって送風量が低下したものである。
- ダクト設置部分を下がり天井とし、設計通りのダクト厚さとした。
(コメント)これもオソマツである。竣工時に風量測定をしたのであろうか。設計条件を満足させずに、使用開始とは考えられない。