空調設備のトラブル50⑥
2021年10月15日
(13)設備の命は天井裏―天井裏の点検トラブル―
- 某ホテルで1階ロビーの空調状態が良くないので点検依頼があった。一階ロビー天井に点検口がなく、天井内空調機の点検ができなかった。点検口設置作業のため、ホテルの営業に迷惑をかけ、事業主、ホテルからのクレームで営業補償問題まで発展した・
(コメント)解説では、点検口が取り付けなかった理由や、その必要性について述べているが、これもオソマツ以前である。昔の話とはいえこのような建物ができてしまった事も信じられない。建築設計者はともかく、ゼネコン、サブコンの技術屋がいいなりになったのもおかしいし、事業者も竣工検査をしていたはずである。ともあれ、このような事例が多かったので、建築基準法に点検口設置の基準ができたのであろう。
なお、空調不良の原因は吹出し風量の調整不備で、風量調節ダンパーの調節で対応した。
また、筆者の昔聴いた事例では、点検口の位置と大きさが不適切で、施主検査の際に、建築設計者が「お前が入って点検してみろ」と言われて、位置の変更をしたことがある。
(14)シャフトがなければ、倉庫がシャフトー倉庫内天井配管によるトラブルー
- 倉庫内にラックを設置しようとしたが、事務所の空調用ダクトがあり、当初の予定通りのラックが設置できなかった。
- もう一つの事例もあるが省略する。いづれも、何処の何があるのか把握してない関係者がいたことに驚きである。
(15)水漏れ一発一億円-コンピューター室の漏水トラブル-
- テナントオフィスビルに入居している、某社のコンピューター室の天井から漏水し機器に支障をきたして、多額の損害を与える事故を起こした・
- 直上階に床置きファンコイルユニットがあり、分岐配管枝管の銅管の公職によるものであった。配管したに漏水受けを設けた。
(コメント)これもやってはいけない事例であるが、当初から決まっていたのかテナントが位置を決めたかによって、判断が異なる。状況からはOA化の初期で、このような事故が想定外の頃の事故と思われる。少なくとも小生の設計では、電気室やコンピューター室上部には、空調機室、水回り諸室は設けず、配管類は絶対に通さなかった。二重床事例もほとんどない。