空調設備のトラブル50⑦

2021年10月18日

(16)小型ファンも総音源-天井裏設置ファンからの騒音トラブル-

  • ある老人ホームで、便所排気ファンを2階廊下天井裏に設置した。消音対策は充分行っていたが、ファンからの低騒音で夜間は眠れないというクレームとなった。
  • 騒音測定の結果ファン直下の廊下で50~52dBA、隣室の居室で40~42dBA、天井裏で67~69dBAあった。また、天井吊りボルトの一部がダクトからつられていた。
  • 対策としては、シロッコファンを消音ボックスに入れて釣り直し、天井裏にグラスウールを敷き詰め、天井吊りボルトはダクトから絶縁、間仕切り壁のダクト貫通部の穴埋めにより、室内で35dBA、廊下で45dBA以下となった。
  • 原因は、意匠上から屋上にファンを設置しては困るという建築設計者の要求に安易に妥協したものである。

(コメント)天井の仕上げによる遮音性能の違いを表にして説明してある。シロッコファンの番手が不明であるが、24時間運転するものをこのようなところに設置するとは『マサカ』である。

3.シャフトまわりのトラブル

(17)小さな孔でも致命的-コンクリートダクトシャフトの機能不全-

  • 外気が冷たい時期に、外気冷房している系統で、室温が下がらないという苦情が出た。
  • 外気シャフトと室内排気シャフトが隣り合わせで、間仕切り壁に穴が開いていたせいであった。空調機の外気取り入れ口温度は、外気温度よりも8℃も高かった。

(コメント)外気冷房について、システム図のダンパーの開閉について表にまとめて説明してあるのは良いが、外気ダクトやガラリが大きくなることの説明はない。また、外気温度が不明であるが、+8℃は大きすぎる。よほど大きな穴であろう。現在では、室内環境でCO2濃度が上がるので、不具合はすぐわかると思う。

(18)ダクトシャフトは材料に注意-ALC版ダクトシャフトによる風量不足-

  • 機械排煙設備の試運転を行ったところ、末端排煙口で規定風量が満足されていなかった。
  • ALC版シャフトに各階で排煙ダクトが接続されており、シャフトややダクト貫通部の施工不良は見られなかった。ALC版本体からの多少のリークと表面の粗さが現委員と考えられた。
  • 対策としては、ALC版表面全面をモルタル塗りとした。
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