空調設備のトラブル50⑮

2021年11月21日

(41)壁をも倒す空気調和-空調機の異常運転でクリーンルームの内装材が倒壊―

  • クリーンルームに使用している内装材が、竣工三年後に異常振動を伴い、部分的に倒壊した。
  • 空調機はコイル、フィルターに対して押し込み側にファンがあり、点検時にファンを停止していなかった。そのため、空調機の点検時に点検口から送風空気が放出され、クリーンルーム内が急撃に負圧となり、室内壁に強い振動が生じ、内装材を固定させているビスに力が加わった。1-2カ月ごとの空調機点検時にこの現象が起こり、繰返しの衝撃力による疲労のため突然の部分倒壊に至ったものと考えられる。
  • 空調機の点検は空調機を止めて行うこととした。

(コメント)これは『マサカ』のトラブルである。繰り返し応力によるトラブルはすぐに表に出ないのが困る。


(42)「パチッ」とくるからご用心-冬期居室の静電気障害―

  • 役員室などでドアノブに触ったとたん、「パチッ」といった音がしたり、針で刺されたような痛みを受けるというクレームが多い。
  • これは、カーペット上歩行の場合に人体に静電気が帯電し、ドアノブなどに接触した場合に放電のショックが発生する。
  • 対策としては湿度をあげればよいのであるが、開設では、表面処理、床材の処理やノブを絶縁するなどの対策も上げている。
  • 解説では、帯電性について相対湿度との関係や、各種繊維素材からなるシャツの帯電性について、グラフを表示して説明している。

(コメント)このトラブルは最近はあまりきかない、空調設備の加湿器の機能が改善されたのであろうか?


(45)嫌煙権を行使したい会議室-会議室の煙が抜けない-

  • 事務室の一部を設計変更して会議室にしたが、たばこの煙がこもろという苦情が出た。
  • 換気量の不足と吹き出し口と吸込み口の配置の不適切が原因とされた。
  • 対策としては換気量の増加という大改造となって困難なことが多い、とある。
  • 解説では、空・衛工学便覧の喫煙量に見合った換気量の表の他、開設者の経験事例のスケッチが載せられている。

(コメント)初めから分かっていれば対応可能であるが、後からの変更では対応不能で我慢してもらうしかない。最近は特別な部屋以外では喫煙が禁止されている建物も多く、このようなトラブルは見られないことと思う。

Copyright © 2019-2020  建築設備解体新書 All Rights Reserved.
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう